個展を前に・その2
タイトルについて(1999年4月10日)
個展はまさにその呼び名の通り、自分自身の作品を発表する場です。だから最も素直で正直な自己表現といえるでしょう。
もちろんタイトルも自分で決めています。今回のタイトルは悩みに悩み抜いた末、『PRINCE EDWARD ISLANDー故郷の気配、プリンス・エドワード島ー』としました。
メインタイトルのPRI〜はすんなりと決まったのですが、頭を悩ませたのはサブタイトルでした。最初、「季節」「色彩」という言葉を使うつもりでしたが、「ふるさと」という言葉の響きが個人的に好きだったので、これを使用したわけです。問題はそれにつづく言葉でした。僕にはすでに信州という故郷があります。すでに12年間関わりつづけてきたプリンス・エドワード島を第2の故郷と呼んでもいいような気もしますが、正式に定住をしているわけではないので、それはあまりに短絡すぎると判断。そこで、過去、現在、未来をぼんやりと感じさせる「気配」という言葉を選び出しました。「趣」とか「風情」とか洒落た言葉もありましたが、何となくタイトル負けする感じがしたのでやめました。
サブタイトルにある取ってつけたような「プリンス・エドワード島」は、やはり英文のPRI〜だけではわかりづらいと思ったからです。ちなみにP.E.I.(ピーイーアイ)という島の呼び名は、日本では9割以上の人が首を傾げます。最近僕は使わないようにしていますが、それでもメールなどでついつい書いてしまうこともあり、すると友達は「これって新しいファイル形式の名か?」と質問してきます。どうやらhtmlやjpgファイルと勘違いしているらしい。
前回のニコンサロンの個展のときも、タイトルはマジで考えました。
アトランティック・カナダの海岸線がテーマだったので、タイトルにはどうしても水に関する何かの言葉を使いたかったのです。取材中常に感じていた静謐さから「凪ぎ」という言葉が閃き、『ある日、凪ぎの時』としてみましが、三文字と四文字でバランスがあまりよくありません。そこで、タイトルだから多少の言葉遊びは許されるだとうと勝手に結論を出し、「凪ぐ時」としたわけです。
もちろん今まで形に残してきた出版物のタイトルは自分でつけたわけではありません。前にも書きましたが、本は共同作業なのでそれが出来にくいのです。もし自分でタイトルをつけるとしたら、もっと別のタイトルになっていたと思いますが、きっとそんなこだわりある本はあまり売れないのでしょう。
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さて、いよいよ個展です。そこで注意点とアドバイスを書いておきます。
・会場の外、つまり通路側にも13点の写真が展示してあります。多くの人が見逃します。
・芳名録は、ペンタックスの人がいる丸カウンターにあります。お名前と住所を残していただくと、次回の個展や新刊本の案内をお送り出来ます。
・僕は期間中常に会場にいる予定ですが、もし姿が見えなかったら、いつ戻るかペンタックスの人に尋ねてください。
・会場内で、本、ポストカード、オリジナルプリントを販売しています。
・隣のエプソンギャラリーでは、写真界の巨匠森山大道氏の個展(17日まで)を開催中です。とにかく素晴らしいので是非ご覧になって下さい。