確定申告(1999年2月9日)
フリーで生きている人間がこの時期にしなければいけないこと、それは確定申告です。昨年のお金の回り具合を税務署に報告し、日本国民の義務としてしかるべき税金を払うというアレです。
確定申告をするためにまず必要となってくるのが一年分の領収書。これがないと話になりません。フリーになりたての頃、買い物の度に領収書をもらうのが面倒で仕方ありませんでしたが、さすがにいまでは慣れ、「領収書をください」という言葉がごく自然に口から出るようになりました。
この時期、「売れっ子作家A氏、○億の税金を払う」なんてニュースが飛びかうため、確定申告には実に嫌なイメージがつきまといますが、僕の場合はちょっと違います。なぜなら、確定申告をすることによって払い過ぎた税金が戻ってくるからです。
確定申告の仕組みをちょっとご説明すると……
僕らフリーの人間が会社から受け取るギャラは、請求分の9割の金額です。つまり1割は、会社の方から税務署の方に行ってしまうのです。
でも、税金は1割ぽっちでは足りません。その不足分を補うのがこの確定申告というものですが、ここで重要となってくるのが必要経費です。
当然必要経費は控除となります。写真家はおそろしく経費を使う職業です。僕はサラリーマン写真家とは違いますから、航空券も宿泊費もフィルム代も全額自費。年収とほぼ同額の経費がかかっているといっても過言ではないでしょう。つまり、その必要経費をひっくるめて計算していくと、(まあ、この辺の仕組みはよくわからないのですが…)「1割は払い過ぎていますよ」ということになり、逆に税務署の方から僕の銀行口座にお金をバックしてくれるのです。高級カメラが一台買える程のまとまった金額なので、決して馬鹿にはできません。
まあいくら戻ってくるからといっても、2カ月後に今度は都民税や国保の請求がくるわけで、結果として得はしていないのでしょう。
ただでさえ忙しいこの時期、「何でこのオレがこんなことせなあかんねん」と一人ぶつぶつ文句をいいながら、千枚以上の日本語&英語のレシートと格闘しています。本当にシンドイ……
ちなみにいま税務署は人でごった返しています。フリーで生きている人間の多さに驚きますが、きっとこれは大都市ならではの現象なのでしょう。以前松本の田舎で確定申告をしたことがありますが、その日松本税務署には、バーのママさんらしき人と、フリーターらしき真面目青年と、そして僕の3人しかいませんでした。僕が申告書を書いている傍らで税務署の人はこう言っていました。「へぇ〜、写真という生き方もあるんですね〜」